娘ちゃんの話
澤選手が、引退を表明した。
日本代表として誰よりも多く試合に出て、誰よりもゴールを決めた。
ワールドカップで優勝した。バロンドールも獲った。
どれもこれも本当に素晴らしいことだけど、それよりも何よりも頭が下がるのは、
「苦しい時には私の背中を見て」と言って仲間を鼓舞して、
その通りの背中を見せ続けてきたことじゃないだろうか。
澤選手の背中に憧れた子供たちが、今日も日本中でボールを蹴っている。
その中から、きっと澤選手を超える選手がいつか現れる。
そうやってサッカーは続いていく。
澤選手、本当に、本当にお疲れさまでした。
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そんな澤選手に憧れたわけでもないのだけれど、
娘ちゃんも地元のスポーツクラブでサッカーをしている。
それほど熱心というわけでもサッカーそのものが好きなわけでもなく、
仲のいいお友達がやっているから一緒に、という程度の動機なのだけど、
やっぱりボールを蹴って走り回ること自体は無条件に楽しいみたいだ。
どちらかと言えばインドア派の娘ちゃん。
ちょっと油断すると休みの日を家から一歩も出ずに過ごしたりしてしまう。
まあ、無理に外に引っ張り出さなくてもいいんだけど、
次の休みは久しぶりにボールを持って一緒に公園へ行こうかね。
娘ちゃんは現在5歳。
年齢の割に、かなりハイレベルに漢字を読むことができるのだけれど、
逆にそのせいでちょっと困ることもある。
まず、娘ちゃんの前で迂闊に新聞が読めない。
嫌な事件の記事や扇情的な文句の広告が載っている日は特に。
「遺体で発見」とか「殺害」とか「欲情」とか、普通に読むしなあ、娘ちゃん。
「これってどういうこと?」とか聞かれるのも対処に困る。
別に温室で育てる気はないけれど、流石に5歳児に教えなくてもいいだろう、と。
我が家には何冊か自閉症や発達障害についての本があるのだけれど、
娘ちゃんは油断しているとこれも読んでしまう。
で、何かの拍子に「弟くんは自閉症やから、言葉がしゃべられへんねんな」とか
「自閉症の子は、クレーン行動っていうのをするねんな。弟くんも、するしな」とか、
本で読んだことを意味も解らずにそのままペラペラと喋るのだ。
外で言うたらあかんよ、とか言うのも何か違うし、
かといってTPOもわきまえずあちこちで言われるのも何だかなあ、という気がするし。
はてさてどうしたら良いものか。
続く。