表情
おもちゃを使った遊びとか絵本の読み聞かせがなかなか成立しないので、
息子くんと遊ぶ時は割とプリミティブな遊びが中心である。
高い高いをしたり、足の裏に息子くんのお腹を載せて持ち上げて飛行機ごっこ、
抱き上げて逆さ吊りとかカナディアンバックブリーカーとか。
息子くんはこの手の遊びが大好きで、やれば7、8割方笑ってくれる。
まだ息子くんが自閉症であるという可能性に気づいていなかった頃、
なかなかコミュニケーションが成り立たないなあ、と思った僕は、
この手の遊びをする時にはできるだけ大げさな表情をして、
息子くんに掴みかかるようにしていた。
目を見開いて、口も大きく開けて、もちろん笑顔で。
少し前から、息子くんはどうやら僕のことも
「どうやらこいつは味方である」
「何やら持ち上げたりくるくる回したり、刺激的な遊びをしてくれるやつである」
と認識してくれたようで、
機嫌の良い時は抱っこをせがんでくるようになっていたのだけど、
最近はさらに一歩進んで、こちらの表情を真似て挑みかかってくるようになった。
いつもは細ーい目を見開いて、よだれの垂れそうな口をいっぱいに開けて、
飛び切りの笑顔で突っ込んでくる。よじ登ってくる。
ものすごく幸せである。(親バカである)
でも考えてみたら、表情を真似できるって結構大きな進歩だよなあ。
相手の顔のパーツが普段とどう違っているかを認識して、
それを自分の顔のパーツに再現させることができる。それが場面と結びついている。
何だか確かな成長を感じられたようでとても嬉しい。
そしてそんなことをしていると負けずと娘ちゃんが
「あたしもー!」と言って突っ込んでくる。
これを受け止めると幸せ2倍、腰への負担4倍である。
ぎっくり腰にならないように気をつけねばならない。
over 40になってからの子育ては、こういうところで地味につらいことがあるよね。
続く。