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自閉症の息子くんと、いっしょに。(仮)

息子が自閉症&知的障害と診断されて、色々考えることが増えました。家族4人一緒に暮らしながら感じたこと、考えたこと、とりあえず色々残していこうかな、と。

ちょうだい。

結構前から息子くんには、食べ物や飲み物を欲しい時や「おかわり」したい時のハンドサインとして「ちょうだい」を教えていた。片方の手のひらを上に向けて、その上にとんとん、ともう片方の手を重ねる。「うー」と言いながら空になったお皿やマグカップを差し出して来たら、それを受け取った上で、「ちょうだい、かな?」と声をかけながら、息子くんの手を取って、とんとん。クレーンで「そこのお菓子を寄越せよう」と要求してきた時も同じように、とんとん。繰り返したかいがあってか、最近息子くんはこのサインを自分で何となくできるようになってきた。時々「ごちそうさま」のサインと混同してしまうこともあって成功率は6、7割といったところだけど、それもまあご愛嬌。自分の要求を、決められたサインを伴って伝える、第一歩。他にも応用の幅が広がってくれるといいなあ。

 

服の着脱も少しずつ自分でできる範囲が広がってきていて、最近は靴を脱ぐこともできたりする。玄関で上手く誘導してあげれば、自分の手でマジックテープをぺりぺりはがして、ちょっと苦労はするけど靴を脱いで階段を上がっていく。ズボンは少し前から自分で脱いだり穿いたりできる率が上がっていたし、最近はTシャツやトレーナーもある程度自分で脱ぎ着できる。ただ困ったことに息子くんはだいぶ頭がでかいので、家にある服の幾つかは頭を通すのにかなり苦労する羽目になり、そういう時はやっぱり着替えの後、一気にご機嫌ナナメである。でも絵本の「もう脱げない」みたいで、ちょっとおもろかったりもする。

 

お気に入りの本が幾つかできた。もちろん中身を読むわけでもないしこちらが読み聞かせをしても聞くわけではないのだけど。本棚のどこに突っ込んであってもいつの間にか引っ張り出してペラペラパタパタしているので、もうだいぶボロボロである。kodomoeの付録の絵本、娘ちゃんが大好きなアイドルが表紙のTV雑誌、同じく娘ちゃんが幼稚園でもらってきた知育絵本的なもの。似たようなものがあれこれある中で、いつも引っ張り出しているのは特定の号なので、紙の手触りとか色や絵の感じとかが息子くん的には何か好ましいのだろうな。

 

オムツの中に大きな成果物を納品した後、何となく気持ちが悪いのかもぞもぞしているうちに、自分でオムツの中に手を突っ込んでいることもしばしばある。オムツに納品することが気持ち悪いと感じたらトイレへの第一歩だとは思うのだけど、なかなかストレートに導けないのがもどかしい。そうこうするうちに成果物がついた手で家の中を触ったり、下手すればその指を口に持っていったりしてしまうので、もうマジ油断禁物である。正直こちらが気づいてない時にエライことをしでかしている可能性も高い、というかほぼ確実に何かやらかしているのだろうけど、もう気にしても仕方ないので「気づかなかったことはなかったことである」と考えている。もうね。しゃーない。

 

時間のある時はできるだけ積極的に息子くんと遊ぶ(持ち上げてぐるぐる回すとか、ぷにぷにの腹をこそばすとか、頭と顔をわしゃわしゃと撫でまわすとか)ことを心がけた甲斐あってか、最近息子くんは明らかにこちらのことを味方として認識してくれたようである。今までよりも一歩進んで、息子くんの側から「さあ遊んでくれたまえよ」とばかりに手を差し出してくる。コミュニケーション能力が少しずつ定着してきた感じ。最近すっかり病院でも発達検査を受けていないのだけど、今の息子くんの発達段階はどのくらいになるのかな、などと思ったりしている。

 

以上、何となく最近の雑記。

続く。

 

Now Playing:

"サーカス団パノラマ島に帰る" by 筋肉少女帯, 1990

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ゆっくりだけど

かなり久しぶりの更新で、何だかどう書き出したらいいのかよく分からない。年が明けてからは結構忙しかった。部署の命運がかかったコンペの企画書出してプレゼンして、ようやく土日をフルで休めるようになってふと一息。とはいえ来週出る結果によっては、受注できれば向こう2年かなりの激務になるわ、できなければ本気でリストラの覚悟をせなあかんような気がするわで、結構シビアな年度末である。

 

息子くんのことはもう少しちょいちょい書き残しておこうとは思っているものの、やっぱり仕事に紛れて後回しになるのよなー。短くてもいいからちょこちょこ書くようにせな、小さなエピソードは忘れそうになるし。んー。

 

とりあえず息子くんは4月から、家の近所の療育施設に移れることになった。保育園の待機児童問題ほどではないにせよ、希望者がそれなりに多いとは聞いていたのでどうなるかと思っていたけれど、何とか一安心。今度の施設は母子通園ではなく分離になるので、これで今まで圧倒的にヨメはんが一人で引き受けてくれていた通園の負荷は軽減できる。娘ちゃんも小学校に上がるし、4月からは色々なことが変わることになるな。色々準備せなあかんことも子どもの行事ごともたくさんあるし、年度末は仕事を適当にかわしつつできるだけ一緒に関わっていけるようにしよう。

 

最近息子くんができるようになったことを幾つか。

挨拶代りのタッチ。これは家族だけじゃなくて、ご近所さん相手にもできるようになってきた。娘ちゃんのお友達のお父さんお母さんとかに道端で会った時に、モノは試しで声掛けしてもらったところ、挨拶されると自分から手を出してタッチしようとする!ある程度息子くんの障害を知っているご近所さんもこれは結構な驚きだったようで、そらそうですよね今までどれだけ声かけても知らん顔だったしね。ちょっとだけ社会性が芽生えてきたということなのか。どうなのか。

 

オムツはまだ取れないけど、小が出た後に何となく教えてくれることが増えてきた。自分でオムツ袋を持ってくることもあるし、こちらの手を取りながらズボンを下げようとすることも。ちょっとずつ、自分の意志を示せる範囲が広がってきたのかな。

 

お気に入りのおもちゃは、ヒモ。とにかくヒモ状のものが好き。手に持ってひらひらさせたり、しゃぶってしがんで振り回したり。娘ちゃんの跳び縄とか運動会でもらった記念のメダルについているリボンとか、あまりにヒモが好きなのでそこらへんにあった紐を適当に束ねた即席おもちゃとか。視界の中で何かがひらひらしているのが楽しいんかなー。自閉症の特徴的な素振りとしてよく言われる「手を目の前でひらひらさせる」の応用パターンなのかもしれない。知らんけど。

 

目が合う回数は明らかに増えた。こちらの表情をしばらく見てから笑ったり、むしゃぶりついてきて甘えたりと、意思疎通というか感情のやり取りができるシーンも増えた。名前を呼ぶと振り向くことも多いし、完全なコミュニケーションとまでは言えないけれど、他者の存在を今までよりは一歩進んで認識している、ような気はする。(これまでは基本的に、他人を歩く道筋にある障害物的なものとして認識しているシーンが多かったように思う)

 

療育施設の他に時々通っているデイサービスでも概ね楽しく過ごせているようだし、ゆっくり、ゆっくりだけど、絶対成長しているよなあ。うん。

 

続く。

 

Now Playing:

"Nowhere" by RIDE, 1990

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行ってきます

息子くんは相変わらず言葉でのコミュニケーションはなかなか難しいのだけれど、普段から日常生活の中で普通の会話のように声をかけるように心がけているうちに、最近は少しずつ意思疎通のまねごとができる回数が増えてきている。繰り返し繰り返し続けることで、ちょっとずつ息子くんの中に何か溜まってきているのかな。

例えば、朝会社に行く時。これまでずっと、反応がなくても一声かけてから家を出るようにしていたところ、数日前に突然、「息子くん行ってきまーす」と声をかけたらニコニコ笑顔で走り寄ってきて、バイバイする僕の手にちょん、とタッチしてまた走り去っていった。次の日は、寄ってはこないけれどその場で振り向いてこちらに手を伸ばしてきて、近寄って手を出したらまたちょん、とタッチ。その次の日も、そのまた次の日も。挨拶に挨拶を返す、というところにはまだたどり着かないし、ちょんとタッチした後は不機嫌な顔で「あっち行け」と言わんばかりに押し返されたりするのだけれど、声をかけられているから何かアクションを返す、という一連の流れが息子くんの中にできているのが見て取れる。

今までもできるようになったことがしばらくすると消えてしまって、また別のことができるようになって・・・というのを繰り返しているけれど、今回は定着してくれるかなあ。してくれるといいなあ。

 

続く。

 

Now Playing:

"明日へ向かって走れ" by エレファントカシマシ, 1997

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寒い・・・

週末に札幌へ出張することになり今からビビッている。だって激烈に寒そうだし!最高気温が0℃行かないとか!元々寒冷地で生まれ育っている割に寒さが大の苦手なので、もう天気予報を見るだけで震え上がってしまうチキン野郎である。いやこれまでにも何度かこの時期に札幌には出張しているんだけどね。とりあえずスーツの下にパッチは穿いて行こう。

 

大阪も全国平均から見れば大分生ぬるい方だとはいえ、最近は結構冷え込む。夜寝る時に寝室のエアコンは切る主義なので、朝方になるとかなり室温も下がっているのだけれど、子ども達は体温が高いからかそれでも布団を跳ね除けて眠りこけたりしている。寒ないんか君らは。特に息子くんに至ってはその傾向が酷いせいか、ここしばらくずーっと咳と鼻水が出続けている。病院に掛かるほどの症状でもないかな・・・と思いつつ、元々ちょっと喘息持ちでもあるのでこれ以上の悪化は防ぎたいところ。薬飲ませるのも大変やしなあ・・・

 

そんな息子くんは最近、眠る時には95%ぐらいの確率で誰かの上に乗っかっている。20kgになろうかという体重の80%以上をかけて乗っかっているので、ほぼ毎日息子くんの敷布団状態となっているヨメはんは、肩こりと腰痛と背中痛が酷いようで同情を禁じ得ない。無理に引きはがせば目を覚まして泣き叫ぶのでそれはそれで全員が不幸になるし、寝入りばなに枕へ誘導しようとしてもほとんどが失敗するしで如何ともしがたいのがつらいところである。流石に20kgの娘ちゃんの上に全体重をかけて乗っかろうとしたときはレフリーストップをかけたけれど。

 

とりあえず風邪ひくと色々面倒だから、布団だけは被ってくれないですかね。

 

続く。

 

Now Playing:

"RESPECTABLE ROOSTERS" by Various Artists, 1999

「respectable roosters」の画像検索結果

 

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少しずつ

年末年始の休暇を使って、何度か息子くんと一緒に療育へ行くことができた。今年は夏以降上手く仕事を休みにすることができずになかなか機会を作れなかったので、結構久しぶりになってしまった。いかんなあ。もっと家族との時間を生活の中心にシフトさせたいのに、調整下手は相変わらずの2016年だった。

 

久しぶりの療育を通じて、改めて感じられた息子くんの成長が幾つか。まずはこの前も書いた通り、バギーを使わずに、安定して歩いて通えるようになったことが大きいかな。最近は普段のお出かけにもほとんどバギーを使う必要がなくなってきた。手を繋いで長時間一緒にいることにも慣れてきたし、時々それが嫌になって手を引き離すこともあるけど、そこから唐突に走り出してしまうようなこともほとんどない。もちろん目を離したり気を抜いたりはしないように心がけているけれど、以前に較べて格段に落ち着いて一緒に行動できるようになった。

 

療育では、最初と最後のご挨拶の時間に、椅子に座って待つことができるようにもなった。先生が椅子を出して、紙芝居を見せながら歌を歌って・・・という一連の流れが始まると、自分から椅子に座ることもある。つい半年前にはクラスの中でダントツのフリーダム男だった息子くん、これも大きな成長。

 

帰る時には下駄箱にある幾つもの靴の中から自分の靴を間違わずに取り出すこともできるし、「帰るよー、エレベーターのボタン押してねー」と言えば何と下りのボタンを自分で押すこともできる!言葉としての指示を理解しているわけではないけど、ルーチンの行動はいつも通りの声掛けをすれば何となく雰囲気を察してそれに準じた行動をとることができる、という感じ。すごいなあ、いつの間にかそこまでできるようになっててんなあ・・・父ちゃん嬉しいよ。

 

一方で自分から要求を周囲に伝えるのは、まだ難しい。外に連れて行けとかそこのクッキーの袋を開けて寄越せとかこのマグに牛乳を入れろとか、簡単な内容ならクレーンで伝えられるけれど、ちょっと抽象的な内容だったり幾つも選択肢がある中で何が欲しいのかを伝えるようなことはまだ無理みたいで、よくイライラして頭を机や床にゴンゴンしている。あとイライラが絶頂に達した時に運悪く抱っこしていたりすると思い切りかみついて来たりするので要注意である。2週間以上前に思い切り噛みつかれた時の肩の傷がまだ治っていないので父ちゃんちょっとトラウマ気味である。

 

そんなこんなで年を越えて2017年。

今年は娘ちゃんが小学校に入るし、息子くんは(希望が通れば)近所の療育施設に移ることになる。それぞれ生活が大きく変わるから色々ストレスもあるだろうけど、上手く順応して楽しく元気で過ごせる1年になりますように。

そして最後になりましたが、あけましておめでとうございます。いつもブログを読んでくださっている方々、たまたま通りすがりに訪れてくださった方々、皆さんにとっての2017年が平穏で楽しい1年でありますように。

 

続く。

 

Now Playing:

"The Boy with No Name" by Travis, 2007

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今年も終わり

2016年もあっと言う間に終わり。とりあえずは今年も家族4人、大きな病気も怪我もなく元気で過ごせたことに感謝。デビッド・ボウイにプリンス、ピート・バーンズにBOOM BOOM SATELLITES川島氏、ジョージ・マイケルと、少なからず聴いてきたミュージシャンが沢山亡くなった年でもあったので余計にそう思う。健康大事。

 

息子くんは色んな凸凹があったり一進一退を繰り返しつつ、何だかんだ言って少しずつ成長しているなあ、という感じ。療育には相変わらず週4回通っており、最近はまた、手を繋いで自分の足で歩いて通えるようになってきた。安定してバギーを使わずに移動できるようになったのはやっぱり大きい。移動時のこちらの負担も段違いに減った。時々電車の中でグズってしまうこともあるけど、前に較べたらすごく落ち着いてきた。(ちなみに電車の中でグズるとすかさず周囲のオバちゃん達が次々に「飴ちゃん食べるか?」と声をかけてくれる。大阪ストラットな毎日。)

 

着替えも自分でできることが増えてきた。ズボンを脱ぐのは80%ぐらい、穿くのは50%ぐらい自分でできる感じ。「息子くんズボン脱ぐよー」と声をかけたら何となく理解して体を動かしてくれる。日常生活の色んなシーンで指示が伝わることが増えているのも感じられる。

 

食事は何度かの断食ブームとドカ食いブームを繰り返し、最近は何度目かの大食い野郎である。お前何杯食うねん、というぐらいふりかけご飯を所望されることも。でもおかずは食べない。炭水化物と乳製品でエネルギーの95%を賄っている感じ。大丈夫かこれで。

 

一方で困るのは、最近2、3日に1度のペースで朝方や夜中に飛び起きて叫びだすことで、これは結構しんどい。こちらの寝入りばなに「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」「う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛」と叫ばれたりするとさすがにこちらもブチ切れそうになる。巷によくある虐待のニュースも、「そんなことするなんて信じられない」ではなくて、そうなってしまう可能性を孕んだ瞬間っていうのはすぐ身近にあるんよな、と改めて認識する。綺麗ごとだけではやっていけないのだ。我が家は幸いにして僕もヨメはんもそこまで追い詰められずにその瞬間をやり過ごせてはいるけれど。

 

そんなこんなで過ごしてきた2016年ももう終わり。大掃除もお片付けもほとんどしてないけど、もういい。無理はしない。できることだけやって淡々と日々を過ごしていけばいい。来年も、家族4人が笑って元気に過ごせますように。それと最後に、今年も1年息子くんのケアの大半をこなしてくれたヨメはんに、改めて、ありがとう。

 

続く。

 

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ハートネットTV

たまたま目についただけなのか、最近NHKを中心に発達障害自閉症について取り上げた番組をよく見かける。先日の金スマに続いてNHKではハートネットTVやバリバラで相模原事件をテーマにした特集、Nスペで東田直樹さんの特集、など。

ハートネットTVの特集は二日連続だった。1日目は犠牲者の記録を残そうとしている、やまゆり園の元職員二人への同行取材。亡くなった19名が匿名で発表されたことを「一人一人の人生が封印されている」と感じて、犠牲者を知る人たちの間を訪ね歩いている。2日目は一般の社会から隔絶されてしまいがちな重度知的障害者の施設を、番組のディレクターが訪れての取材記。余計な主張も演出もなく、障害を持つ人たちや彼らを支援する人たちに真摯に向き合っていて、やっぱりこういう番組を作ることができるのはNHKの良さだ。視聴率なんか気にせずこういう路線を突き進めばいいのに。受信料払うから(払ってます)。

 

僕自身は、事件の被害者が匿名で報道されたことには何も違和感は持っていない。むしろ普段何か事件が起きるたびに、そしてそれがセンセーショナルな事件であればあるほど、被害者のことが過剰に詳しく報道されるのにうんざりしているし、被害者は原則全て匿名での報道にすべきだとすら考えている。もちろん被害者自身や、不幸にして亡くなった場合にその遺族が自らの意志で名前を公表すると決断されたのであればそれは全面的に尊重されるべきだけど、その判断を外野、ましてやメディア「ごとき」が押しつけるのは許されないと思うのだ。

 

施設の元職員の方々は、メディアがいつも振りかざすような浮ついた正義感や筋違いの使命感で動いているのではないだろう。それは画面を通して充分に伝わる。自分が働いていた施設で、自分が支援していた方も巻き込まれて、傷ついて、もう二度と会えなくなってしまって。それはつらいよ。苦しいよ。悔しいよ。 だからこそ居ても立ってもいられなかったのだろう。だからこそもっと彼らのことを知りたくなったのだろう。番組の最後で職員の一人が、「彼らのことを忘れてしまったら、それは彼らを二度殺したことになる」と語っていた。それは犠牲者の方々と直接触れ合ってきた多くの人達に共通する想いだろう。そしておそらく、直接の関係はないけれど、僕のようにこの事件を他人事としてスルーできない理由がある、さらに多くの人達にとっても。

 

番組の中で、彼らがその足跡を訪ね歩いていた犠牲者の方々は、名前ではなく在りし日のエピソードに因んで「リボンさん」「ラジオさん」として紹介されていた。それでいいやん、と思った。名前を知っている人は、その名前とともに。愛称だけで知っている人は、その愛称とともに。知る限りのその人の声や匂いを、しぐさや行動を、忘れることなく覚え続けていれば。

 

続く。

 

Now Playing:

"Tellin' Stories" by The Charlatans, 1997

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